デーモン閣下すっぴんとNHK出演の真相-素顔の謎を徹底解明
「デーモン閣下のすっぴんがNHKで映った」。そんな噂がネット上に流れ始めたのは、もう随分前のことだ。それでも今なお「デーモン閣下 すっぴん NHK」というキーワードで検索するユーザーは後を絶たない。なぜこれほどまでに人々は彼の素顔に惹きつけられるのか。そしてその噂の真相はどこにあるのか。今回は、この謎に正面から向き合ってみる。
NHKでの「すっぴん疑惑」-噂の発端を追う
「デーモン閣下のすっぴんがNHKの番組で映った」という噂は、ネット上で広く拡散してきた。この噂の発端とされているのは、2007年のNHK「クローズアップ現代」への出演時の映像だと見られており、番組のキャプチャ画像が加工されて「すっぴん画像」としてネット上に出回ったとされている。
しかし実態はどうか。デーモン閣下は2007年1月14日にNHKの大相撲初場所中継にゲスト解説者として登場した。当時は「相撲に詳しい著名人」としての出演であり、普段と変わらぬ白塗りの「魔の姿」で解説を行った。しかし、この放送後、一部の視聴者の間で「素顔が見えた」「すっぴんで出演していた」といった誤情報が広まった。こうした情報がネット上でひとり歩きしていくのは、今も昔も変わらないインターネット特有の現象だろう。
2007年11月7日放送のNHK『クローズアップ現代』に出演された時の画像をアプリで加工したものが「素顔」として流布されているが、これはご本人の素顔ではないことが判明している。つまり、出回っている「すっぴん画像」の多くは、加工・フェイクの産物に過ぎない。
40年以上貫き続けた「悪魔の美学」
デーモン閣下は1982年にヘヴィメタルバンド「聖飢魔II」のボーカリストとしてデビューした。大学の卒業式では既に悪魔メイクで登場し、「これが私の正装だ」と主張したエピソードも有名で、この時点で既にキャラクターを貫く姿勢が見られた。
1999年にバンドは"地球を征服した"として解散したが、今でも白塗りのメイクを落とすことなく活動し続けており、決してブレない姿勢からは、聖飢魔IIの活動を楽しんできてくれたファンと共有している世界観を大切にしたいという思いが強く感じられる。40年以上にわたってその姿勢を崩さないというのは、単なるキャラクター維持ではなく、ファンへの誠実さそのものだとも言えるだろう。
デーモン閣下本人は「メイクした顔が素顔」と言い切っており、現在も素顔を隠すことに関してはプロフェッショナルで、スマホが普及した現代でもリアルタイムに素顔が出回ることはない。これだけ長期にわたって徹底できる人間が、はたして何人いるだろう。
NHKとデーモン閣下-深くて複雑な関係
デーモン閣下はNHKの「おはよう日本」をはじめ、「サンデースポーツ」「ニュースで英会話」など、数々のNHK番組に出演してきた。好角家として大相撲中継のゲストにしばしば登場するなど、NHKとの縁は深い。コメンテーターとして、あるいは相撲解説者として、白塗りのままスタジオに座る姿はある意味で日本のテレビ界の名物とも言える。
一方で、NHKとの関係は常に良好だったわけではない。NHKの番組に登場したキャラクターが「デーモン風高杉」と名付けられ、デーモン閣下は自身のブログで「無断で使用された事実に変わりはない。不快である。心身の損害を被っている」と怒りをあらわにした。これに対してネット上では「今までNHKを相手にここまで強く批判してくれる人が他にいただろうか」と、デーモン閣下に賛同する意見が多数上がった。信念を持つ人間は、組織の大きさに関係なく、言うべきことをきちんと言う。
現在はコメンテーターとして情報番組「ひるおび!」や「NHKニュースおはよう日本」などに出演し、マルチに活躍している。バラエティからニュース番組まで幅広い出演歴は、デーモン閣下が単なる「キャラクター芸人」ではなく、知性と発信力を持つ存在として認められていることの証左だろう。
ネットに出回る「すっぴん画像」の信ぴょう性
ネット上には「これがデーモン小暮のすっぴんだ!」として出回っている画像がいくつかあるが、そのほとんどがフェイクとされている。画像の真偽を見極めるうえで、一つの重要な判断基準がある。
2010年12月からネット上に公開され続けているある画像があるが、もしこれが本当にデーモン閣下の素顔であれば、ご本人が削除を求めるはずだ。しかし実際にはそのような動きはない。この画像がネット上に公開され続けており、ご本人からの"対応"がないことからも、画像は偽物と言えそうだ。長年の経験を持つ芸能人が自身の素顔が流出したまま放置するというのは、常識的に考えにくい。
過去に直近のデーモン閣下だと思われる画像が流出したことがあったが、この画像はフェイクであり、誰かが作成したガセ写真であることが判明した。意図的な加工か、全くの別人の写真か。いずれにせよ、これをもって「デーモン閣下のすっぴん」と断言することはできない。
本当の「素顔映像」が存在する-学生時代の記録
実は、デーモン閣下の素顔をめぐる話には、確かな根拠がある部分も存在する。デーモン閣下は早稲田大学在学中の素人時代に、武田鉄矢さんと島田紳助さんが司会を務める番組に「早稲田ウルトラ警備隊」というグループとして出演し、素顔のまま登場していた。その番組でゴジラの鳴き真似コンテストに出場し、見事に優勝している。
白いTシャツを着た青年が登場し、その声や動きがデーモン閣下によく似ているため、ファンの間では「これがデーモン閣下のすっぴんでは?」と話題になった。ゴジラの鳴き声を披露する姿も彼の特徴と一致するため、信ぴょう性が高いと考えられている。デビュー前の無名時代に残された記録だからこそ、その映像は今も多くのファンにとって貴重なものだ。
コンビ名・得意芸・声の3つが一致する以上、この映像の男性がデーモン閣下(小暮隆さん)であることはほぼ確実と見てよさそうだ。つまり、デーモン閣下の「本物の素顔」を唯一確認できるとすれば、それはNHKの映像ではなく、デビュー前の学生時代のテレビ出演映像ということになる。
デーモン閣下とはどんな人物か-プロフィールの全貌
デーモン閣下は悪魔教教祖として地球征服を目論み、ロックバンド聖飢魔IIのボーカリストとして音楽を通した広範な布教活動を行ったことで知られる。早稲田大学社会科学部卒のPOWERPLAYに所属するマルチタレント、ジャーナリストという「世を忍ぶ仮の姿」で活動しており、デーモン小暮(1985年)、デーモン小暮閣下(2000年)、デーモン閣下(2010年以降)と名称を変更してきた。
デーモン閣下は高学歴としても知られており、神奈川の名門・桐蔭学園を卒業後、早稲田大学の社会学部に進学。銀行員の父の元、勉強に関しては厳しい環境で育ったとされている。白塗りの悪魔と高学歴エリート。この組み合わせが、彼をほかのタレントとは一線を画す存在にしている。
「世を忍ぶ仮の姿」では本名は公表していないが、その後「小暮隆」であることが判明している。また、幼稚園から小学校1年生の途中までニューヨークで過ごしており、英語が非常に堪能だ。ニュース番組で流暢に時事解説をこなす姿は、そうしたバックグラウンドがあってこそだろう。
2012年には広島県のがん検診啓発キャラクターに就任し、2017年には総務省の電波利用環境保護周知啓発強化期間の啓発キャラクターにも選ばれ、周知・啓発活動を行っている。単なる「面白いキャラクター」ではなく、社会的な役割も担う存在として認知されていることがよくわかる。
素顔を隠し続ける理由-キャラクターの哲学
デーモン閣下は「悪魔の姿こそが素顔」と公言し続けている。2018年のCMでは「人間風メイク」で登場し、ファンを驚かせたこともある。この「人間風メイク」という表現が秀逸で、あくまで悪魔が「人間を演じた」という設定を崩していない。
あるトーク番組では、テレビ局の守衛さんの話題として「仮の姿のデーモン閣下を見て、デーモンさんだと判断できるようになったらベテランだ」という笑い話が語られたという。テレビ局など仕事上の関係者はさすがに素顔を知っていると見てよいだろう。つまり、完全な秘密というわけではないが、それでも一般公開を徹底して避け続けている。
デーモン閣下のメイクは素顔を隠すには効果が高いだけでなく、年齢を感じさせないという利点もあり、堅苦しさよりも親しみを感じさせるという効果もある。そういった点でも、メイクをしてメディアに登場することはよい効果をもたらしているといえる。合理的な判断でもあり、哲学的な選択でもある。素顔を見せないことが、逆に彼のブランド価値を高め続けているのだ。
「デーモン閣下すっぴん NHK」という検索が示すもの
人々がこのキーワードで検索し続ける理由は、単純な好奇心だけではないかもしれない。「仮面の向こう」を見たいという欲求は、人間の本能に近い。アーティストが作り上げた世界観と、その裏にある素の人間。そのギャップを知りたいと思う心理は、どの時代でも普遍的だ。
NHKですっぴんが映ったという情報は誤りである可能性が高く、どの番組でも素顔を見せないという徹底ぶりには、むしろ感心してしまう。だからこそ、噂は消えない。確認できないものへの想像力は、人を引きつける。デーモン閣下の「すっぴん」をめぐるミステリーは、ある意味で彼自身が巧みに演出し続けた最高のエンターテインメントとも言えるのかもしれない。
40年以上のキャリアを通じて、白塗りのまま大相撲を語り、時事問題を切り、公共広告に顔を出してきた男。その正体は悪魔でも、結局は日本の芸能史に確かな足跡を残した、稀有なプロフェッショナルだ。「すっぴん NHK」の謎は今日も解けないままだが、それでいいのかもしれない。謎であり続けることが、デーモン閣下の最大の魅力なのだから。